B1 · IntermediateLesson 2 of 2

使役の許可と強制

使役形が、相手に動作を許す意味と、命じて行わせる意味を持つことを学びます。使役者・被使役者・動作対象の並び、自動詞で使う「を/に」、他動詞で被使役者に「に」を置く基本を表で確認します。助詞だけで許可と強制を決めず、「自由に」「無理に」などの文脈や、させてくださいの許可依頼まで正確に読み取れるようになります。

By the flumi team About 2 min read Grammar learning path: 使役形の作り方と意味

使役(しえき)は、「相手がしたいことを許す」と「相手にある行動をさせる」の両方を表せます。同じ使役形(しえきけい)でも、文脈によって許可にも強制にもなります。

助詞の基本を押さえたうえで、だれの希望や判断で動作が行われるかを読み取ります。

使役文の三つの役割

使役文には、動作をさせる人、実際に動作する人、動作の対象が現れます。

役割 用語 例
動作をさせる人 使役者(しえきしゃ) 先生は
実際に動作する人 被使役者(ひしえきしゃ) 学生に
動作の対象 目的語 作文を

先生は学生に作文を書かせました。 では、先生が使役者、学生が被使役者、作文が動作の対象です。

まず、使役形の動作を実際にするのはだれかを探します。その人に付く「に/を」が、被使役者の印です。

他動詞では被使役者に「に」

もとの動詞が他動詞(たどうし)で、すでに目的語に を が付く場合、被使役者には基本的に に を使います。

もとの文 使役文
学生が本を読みます。 先生は学生に本を読ませます。
弟が野菜を食べます。 母は弟に野菜を食べさせます。
社員が資料を作ります。 部長は社員に資料を作らせます。

「被使役者に」「目的語を」という二つの役割を分けると、文が明確になります。

自動詞では「を」も「に」も使う

もとの動詞が自動詞(じどうし)の場合、被使役者には を がよく使われます。直接的に動かす見方や、移動する人を示す場合に特に自然です。

  • 母は子どもを公園で遊ばせました。
  • 先生は学生を立たせました。
  • 駅員は乗客をホームの外へ出させました。

一方、被使役者の判断や自由を意識すると に も使えます。また、もとの文に経路(けいろ)の「を」がある場合は、被使役者を「に」にすると役割を分けられます。

先生は学生に自由に座らせました。

先生は学生に校庭を走らせました。

二つ目の文では、「校庭を」が走る経路なので、学生に「に」を使っています。

泣かせる・喜ばせる・心配させるは、感情を起こす使役です。被使役者に「を」を取りますが、許可でも強制でもないことがあります。

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許可か強制かは文脈で決まる

「に」なら許可、「を」なら強制と機械的に分けることはできません。副詞や理由、関係性が意味を明確にします。

文 読み取り
本人が希望したので、先生は学生に好きなテーマを選ばせました。 許可・選択の自由
先生は学生に無理に難しい問題を解かせました。 強制
母は子どもを好きなだけ遊ばせました。 「を」でも許可
急な障害対応のため、部長は社員に残業させました。 強制と読み取られやすい
本人が希望して、部長は社員に残業させました。 許可と読み取られやすい

助詞一つだけで、相手の気持ちを決めないでください。自由に・好きなだけ・本人が希望して は許可を、無理に・命じて・仕方なく は強制を示す手がかりです。

許可の意味は授受表現でも明確になります。**母は子どもに好きな本を読ませてあげました。**は、子どものために許可したことを表します。相手が自分に許可するなら「読ませてくれました」と言えます。

目上の人を被使役者にする形は失礼になりやすいです。部長本人に「部長に資料を作らせました」とは言いません。その場合は、部長に資料を作っていただきましたのように言います。

自分がする許可を求める

使役形のテ形+ください は、「私がその行動をすることを許してください」という依頼に使えます。被使役者の「私」はよく省略されます。

少し休ませてください。

最初に私に説明させてください。

この点だけ確認させてください。

さらに丁寧に許可を受けた立場を示すときは、「させてもらう」「させていただく」も使われます。

  • 明日は早めに帰らせてもらいます。
  • 資料を先に確認させていただきます。

「させていただきます」は、相手の許可や配慮を受けて行う場面に合います。許可と関係のない行動にまで付ければよい、という形ではありません。

助詞と意味を確認する

  1. 使役者と被使役者を分けます。
  2. もとの動詞が他動詞なら、被使役者に「に」、目的語に「を」を置きます。
  3. 自動詞なら「を」を基本に、自由度(じゆうど)や経路の「を」も見て「に」を検討します。
  4. 許可か強制かは、副詞、理由、立場、前後の会話から判断します。
  5. 自分の行動への許可を求めるなら「させてください」を使います。

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Last updated October 11, 2026