である体の基本
「である体」の基本を、名詞・形容動詞・イ形容詞・動詞の述語別に整理します。現在・過去・否定の形、論文や報告書に適した文末、一つの文章で文体をそろえる方法、引用や読者への呼びかけで意図的に「です・ます」を用いる場合まで、自然な例と比較から丁寧に学びます。文章全体の調子も確認できます。
レポートや論文(ろんぶん)では、内容だけでなく文末の選び方も文章の印象を左右します。である体は、「だ・である」を含む常体を基礎にした、客観的で引き締まった書き言葉の文体(ぶんたい)です。
このページでは、次のことを身につけます。
- 述語の種類に合わせて、である体の形を作る
- 一つの文章で文末の調子をそろえる
- 引用や読者への呼びかけによる意図的な切り替えを見分ける
である体が作る文章の調子
文末を「です・ます」で結ぶ形を敬体(けいたい)、「だ・である」や動詞の普通形で結ぶ形を常体(じょうたい)といいます。である体は常体の一種で、論説(ろんせつ)、調査報告、説明資料など、情報を簡潔に積み重ねる文章によく使われます。
| 文体 | 文末の例 | 主な印象 |
|---|---|---|
| です・ます体 | この方法は有効です。結果を確認しました。 | 読み手に丁寧に語りかける |
| である体 | この方法は有効である。結果を確認した。 | 記述を簡潔に進める |
である体は、話し手が偉そうであることを表す形ではありません。文章の目的と媒体に合わせて選ぶ書き言葉の調子です。
述語ごとの基本形
述語(じゅつご)が名詞・形容動詞(けいようどうし)なら、肯定形に「である」を使えます。動詞とイ形容詞(けいようし)は普通形のまま文を結び、「である」を付けません。
| 述語 | 現在の肯定 | 過去 | 否定 |
|---|---|---|---|
| 名詞 | 課題である | 課題であった | 課題ではない |
| 形容動詞 | 必要である | 必要であった | 必要ではない |
| 動詞 | 調査する | 調査した | 調査しない |
| イ形容詞 | 変化が大きい | 変化が大きかった | 変化が大きくない |
名詞・形容動詞の形は、文のつながりに応じてさらに変化します。
| 働き | 形 | 例 |
|---|---|---|
| 文を並べる | であり | 安全性が第一の課題であり、費用も検討が必要である。 |
| 状況をつなぐ | であって | 試験段階であって、販売中の商品ではない。 |
| 条件を示す | であれば | 事実であれば、記録を修正する必要がある。 |
動詞やイ形容詞に「である」を直接付けることはできません。「変化するである」ではなく「変化する」、「大きいである」ではなく「大きい」とします。
「だ」と「である」の選び方
「だ」も常体の文末ですが、「である」は説明的で改まった響きを持ちます。短い意見文では「だ」が自然な場合もあり、論文や公的な報告では「である」が選ばれやすい傾向があります。大切なのは、題材だけで機械的に決めず、文章全体の調子を一貫(いっかん)させることです。
簡潔な意見文: この案の問題は費用だ。しかし、改善する方法はある。
改まった報告: 最大の課題は費用である。しかし、改善する方法はある。
「である体」という名前でも、すべての文を「である」で終えるわけではありません。「方法を検討した」「効果は大きい」のような普通形も同じ文体に属します。
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一つの文章で文体をそろえる
段落の途中で理由なく「である」と「です・ます」を交互に使うと、読み手は文章の立場が変わったように感じます。まず本文の基調を決め、文末の終止形を確認します。
そろっている文章: 本調査の目的は、利用者の行動を明らかにすることである。百二十人が質問に回答した。結果には年代による差が見られた。今後、理由を詳しく分析する必要がある。
不意に変わる文章: 本調査の目的は、利用者の行動を明らかにすることである。百二十人が質問に回答しました。
次の順序で見直すと、不要な混在を見つけやすくなります。
- 文章の目的と想定する読み手を確認します。
- 本文をである体か、です・ます体のどちらかに決めます。
- 各文の最後の述語を探します。
- 引用など、別の文体を保つ理由がある箇所を除いてそろえます。
文体の切り替えが目的を持つ場合
異なる形が一つの文章にあっても、すべてが誤りとは限りません。引用(いんよう)の中では元の発言の文体を保ち、本文だけをである体にできます。また、案内書などでは、説明をである体で書き、読者への直接の依頼だけを丁寧にすることがあります。
| 場面 | 例 | 判断 |
|---|---|---|
| 発言を引用する | 担当者は「明日確認します」と答えた。 | 引用内の「ます」はそのままでよい |
| 読者に直接依頼する | 詳しい数値は次の表をご覧ください。 | 媒体によっては意図的な切り替えになる |
| 本文の記述 | 結果は明確である。しかし、追加調査も必要です。 | 理由がなければ一方にそろえる |
「この方法は有効であると考えます」は文法的に正しい文です。文末の中心は「考えます」なので、文全体は丁寧な調子です。本文をである体に統一するなら、「この方法は有効であると考える」とします。
文体の混在は、文中に普通形があるかどうかではなく、文末の調子と文章上の役割を見て判断します。
実用的な確認表
| 確認したいこと | 選び方 |
|---|---|
| 読み手に丁寧に案内する | です・ます体を基調にする |
| 報告や論説を簡潔に記述する | である体を基調にする |
| 名詞・形容動詞で肯定する | であるを使う |
| 動詞・イ形容詞で文を結ぶ | 普通形を使う |
| 引用や直接の依頼を入れる | 役割が明確なら別の文体を保てる |
である体では、個々の語尾よりも文章全体の一貫性(いっかんせい)が重要です。述語の種類、媒体、読み手との距離を確認し、目的のある切り替えと不注意な混在を区別しましょう。
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である体の文末表現
7 wordsLast updated October 11, 2026