B2 · Upper IntermediateLesson 1 of 3

授受表現と敬語の視点

授受表現を敬語の視点から捉え、くださる・いただく・差し上げるで、与え手と受け手のどちらを立て、話し手側をどう位置付けるかを学びます。物の受け渡しとテ形の恩恵表現、内外関係と上下関係の交差、各動詞の助詞、くださいますの活用、テ差し上げるが押し付けがましく響く場面を例で確認し、自然に使い分けます。

By the flumi team About 2 min read 6 vocabulary wordsGrammar learning path: 授受・依頼・許可への配慮

授受表現(じゅじゅひょうげん)を敬語(けいご)にするときは、丁寧な単語へ機械的(きかいてき)に置き換えるだけでは足りません。誰が与(あた)え、誰が受け取り、どの人物を高く扱うかという**視点(してん)**を決めます。

くださるは与え手を高め、いただくは受け手である話し手側を低くして相手を立てます。差(さ)し上げるは、話し手側から相手へ与える行為を謙譲的(けんじょうてき)に表します。

一 三つの方向と敬意

同じ物の受け渡しでも、文の中心と敬意(けいい)の向きが異なります。

動詞(どうし) 文の中心 敬語の働き 基本の例
くださる 与え手 与え手を高める尊敬語(そんけいご) 先生が私に本をくださいました。
いただく 受け手 受け手側を低くする謙譲語 私は先生に本をいただきました。
差し上げる 与え手 与える側を低くする謙譲語 私は先生に資料(しりょう)を差し上げました。

先生が推薦状(すいせんじょう)をくださいました。

私は先生に推薦状をいただきました。

二つは同じ受け渡しを表せますが、最初は先生の行為、次は私の受け取りを中心にしています。

二 助詞で役割を示す

「くださる・差し上げる」では与え手が「は・が」、「いただく」では受け手が「は・が」になります。

動詞 与え手 受け手 物
くださる は・が に を
差し上げる は・が に を
いただく に・から は・が を

敬語を選ぶ前に、まず普通の「くれる・あげる・もらう」で物の方向(ほうこう)を確認(かくにん)します。その後で、立てる相手との関係に合う敬語へ変えます。

「いただく」で組織(そしき)を出所として示すときは、「会社から資料をいただきました」のように「から」が自然です。

三 内外と上下を分けて考える

授受の方向を決める**内(うち)・外(そと)**と、敬語で誰を立てるかという上下関係(じょうげかんけい)は、同じではありません。

  • 先生から私の側へ来るので、「先生が本をくださる」と言います。
  • 私の側が先生から受けるので、「私は本をいただく」と言います。
  • 私の側から先生へ渡すので、「私は資料を差し上げる」と言います。
  • 客(きゃく)について自社内で話すときも、客を立てる必要があります。

家族や同僚(どうりょう)がいつも同じ「内」に入るわけではありません。会社の外の客に話すときは、自社の人を立てず、客や客側の人への敬意を優先するのが基本です。

Quick check

Try one question now.

1
先生が私に辞書を贈ってくれました。先生の行為を高めて述べるのは 。

Check your answer when you are ready. No sign-in needed.

四 行為の恩恵を表す

物ではなく行為(こうい)を受け渡しとして捉えるときは、動詞のテ形(けい)を前に置きます。

形式 視点 例
テくださる 相手が話し手側のためにする 先生が原稿(げんこう)を直してくださいました。
テいただく 話し手側が相手の行為を受ける 私は先生に原稿を直していただきました。
テ差し上げる 話し手側が相手のためにする 私が会場(かいじょう)をご案内して差し上げました。

「恩恵(おんけい)」は、話し手がその行為をありがたいもの、または相手のためになるものとして捉えていることを示します。

五 テ差し上げるの注意

「テ差し上げる」は謙譲語でも、「あなたのためにしてあげる」という恩恵を話し手自身が示すため、相手や場面によっては押し付けがましく聞こえます。

客に「荷物を持って差し上げます」と言うより、単に申し出る「お荷物をお持ちします」のほうが自然な場合が多くあります。敬語の形が正しくても、恩恵を強調する必要があるかを考えましょう。

  • 相手が明確に助けを求めた場面では、「ご説明して差し上げます」も使われます。
  • 接客(せっきゃく)や業務(ぎょうむ)の通常のサービスでは、「お・ご~します」が控えめです。
  • 物を渡す「資料を差し上げます」は、行為の恩恵を述べる「ご説明して差し上げます」より中立的です。

六 活用と選び方

「くださる」の丁寧形はくださいますです。「くださります」ではありません。「いただく」は「いただきます」、「差し上げる」は「差し上げます」になります。

  • 部長(ぶちょう)が助言してくださいました。
  • 私は部長に助言していただきました。
  • 必要でしたら、私が資料をお送りいたします。
  1. 物や行為が誰から誰へ動くかを確認します。
  2. 与え手を高めるならくださるを選びます。
  3. 受け手である自分側を低くするならいただくを選びます。
  4. 自分側から相手へ与えるなら差し上げるを考えます。
  5. テ差し上げるでは、恩恵を自分から強調してよい場面か確認します。
  • 敬語の授受表現では、方向、内外、上下という三つの関係を同時に見ます。

You reached the end

You reached the end

Now make it stick.

Save your progress, or start the exercises. Practice with detailed feedback after you submit, or save your progress and come back.

Practice exercises

Was this lesson helpful?

Vocabulary in this lesson

6 words, ready to study.

Play a word to hear it, then mark it as known — or save it to study later.

Save any of these 6 words and review them later.

敬語の授受表現

6 words

Last updated October 11, 2026