B1 · IntermediateLesson 2 of 3

直接受身と動作主

直接受身を使い、能動文の目的語を主語・話題にして、動作を受ける側から出来事を述べます。対象のををが・はへ、動作主のがをにへ変える基本、動作主を省く場面、人の具体的な行為に使うにと、作者・発明者などを改まって示すによっての違いを例で確認し、否定的とは限らない受身文を正確に作れます。

By the flumi team About 3 min read 42 vocabulary wordsGrammar learning path: 受身形と二つの受身

**直接受身(ちょくせつうけみ)**では、能動文(のうどうぶん)で動作(どうさ)の対象(たいしょう)だった人や物を主語(しゅご)・話題(わだい)にして、出来事(できごと)をその側から述べます。

「先生が学生を褒(ほ)めました」なら、「学生は先生に褒められました」と変えられます。褒める対象だった学生が文の中心になります。

一 能動文から変える

基本(きほん)は「動作主+が+対象+を+動詞」から「対象+は・が+動作主+に+受身形(うけみけい)」への変化です。

役割(やくわり) 能動文 直接受身文
動作の対象 学生を 学生は・が
動作をする人 先生が 先生に
動詞(どうし) 褒めました 褒められました

受身形は、動詞のグループによって次のように作ります。

  • Ⅰ類は、ない形の語幹+れるです。書かない → 書かれる、読まない → 読まれる。「〜う」で終わる動詞は「〜われる」になります(買う → 買われる、言う → 言われる)。
  • Ⅱ類は、ます形の語幹+られるです。褒めます → 褒められる、食べます → 食べられる。
  • すると**来る(くる)**は決まった形です。する → される、来る → **来られる(こられる)**になります。
動詞のグループ 受身形
Ⅰ類(書く・読む) 書く → 書かれる、読む → 読まれる
Ⅰ類(待つ・呼ぶ・話す) 待つ → 待たれる、呼ぶ → 呼ばれる、話す → 話される
Ⅰ類(取る・泳ぐ・死ぬ) 取る → 取られる、泳ぐ → 泳がれる、死ぬ → 死なれる
Ⅰ類(〜う) 買う → 買われる、言う → 言われる、使う → 使われる
Ⅱ類(褒める) 褒める → 褒められる
する する → される
来る(くる) 来る → 来られる

「死ぬ」は自動詞なので、死なれるは「父に死なれた」のような間接受身で使い、直接受身の例ではありません。

Ⅱ類の受身形「褒められる」は、可能形(かのうけい)と同じ形です。私は先生に褒められましたは「先生が私を褒めた」という受身ですが、私は人を褒められますは「人を褒めることができる」という可能の意味です。助詞と文脈で読み分けます。

警察(けいさつ)が男を捕(つか)まえました。

男は警察に捕まえられました。

対象の「男」が話題になり、動作主の「警察」は「に」で示されます。

二 動作主を示す「に・から・によって」

受身文で動作主や原因を示すときは、に・から・によってを使い分けます。

形 使う場面 例
に 人や動物による具体的な動作 私は先生に褒められました。
から 行為や評価の出どころを示す この歌手は多くの人から愛されています。
によって 改まった文で動作主・原因・手段を示す この小説は夏目漱石によって書かれました。

人や動物などが行う具体的な動作には、にを使うのが基本です。

  • 私は先生に褒められました。
  • 弟(おとうと)は犬にかまれました。

能動文の「誰がその動作をしたか」を探し、その人を受身文で「に」にすると、形を整理しやすくなります。

「愛する・知る・尊敬(そんけい)する」のように、広い範囲(はんい)の人の状態や評価(ひょうか)を表す動詞では、出どころを示してからを使うこともあります。「この歌手は多くの人から愛されています」のように言います。「先生から注意(ちゅうい)されました」も、注意を受けた相手を出どころとして示す形です。

「に」が動作主か相手か曖昧なとき

「に」は動作主だけでなく、動作が向かう**相手(方向)**も表します。そのため、送る・渡(わた)す・紹介(しょうかい)する・教える・貸(か)す・見せるのように相手を「に」でとる動詞の受身は、二通りに読めることがあります。

  • 手紙は母に送られました。 → 母が送った(動作主)のか、母あてに届いた(相手)のか分かりません。
  • 田中(たなか)さんは社長(しゃちょう)に紹介されました。 → 社長が紹介したのか、社長に会わせてもらったのか曖昧(あいまい)です。

この曖昧さを避けたいときは、動作主をからまたはによってではっきりさせます。

  • その知らせは本部(ほんぶ)から各地(かくち)の店に送られました。(出どころは本部)
  • この商品は開発(かいはつ)チームによって作られ、全国の店に送られました。(改まった説明での動作主)

動作主を「から・によって」で示せば、相手の「に」はそのまま残るので、二つの役割が混ざりません。日常の具体的な行為に「によって」を使うと硬く聞こえるので(三参照)、ふだんの会話では「から」や、文脈から判断できる「に」で十分なこともあります。

三 によってを使う場面

によっては、作品(さくひん)の作者、発明(はつめい)や発見(はっけん)をした人、制度(せいど)を作った組織(そしき)などを、改まった文で明示(めいじ)するときによく使います。また、原因や手段を示すこともできます。

内容 直接受身文
作者 この小説(しょうせつ)は夏目漱石(なつめそうせき)によって書かれました。
発明者 この装置(そうち)は研究チームによって発明されました。
設計者(せっけいしゃ) この建物は有名な建築家(けんちくか)によって設計されました。
原因 多くの家が台風(たいふう)によって壊(こわ)されました。
手段 この報告書はコンピューターによって作成されました。

日常の具体的な行為に「によって」を使うと、必要以上に硬く聞こえます。「私は母によって褒められました」より「私は母に褒められました」が自然です。

四 動作主を言わない受身

動作主が分からない、重要でない、または一般の人々である場合は、省略(しょうりゃく)できます。受身文では、対象そのものを中心に説明できます。

  • この寺(てら)は五百年前に建てられました。
  • この製品(せいひん)は多くの国で使われています。
  • 会議(かいぎ)の結果は明日発表されます。

誰が建てたか、使うか、発表するかより、寺・製品・結果について伝えることが大切な文です。

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1
「先生が生徒をほめました」を、生徒を主語にした直接受身にすると、「生徒は先生に」となります。

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五 対象が「を」のまま残る受身

ここまでの受身は、動作の対象が主語になる直接受身でした。日本語にはもう一つ、持ち主を主語にして、物は「を」のまま残す受身があり、B1ではよく出ます。間接受身(かんせつうけみ)、所有物(しょゆうぶつ)の受身、持ち主の受身などと呼ばれます。

形 例
直接受身 本は弟(おとうと)に汚(よご)されました。
間接受身(持ち主の受身) 私は弟に本を汚されました。
  • 私は先生(せんせい)に名前(なまえ)を呼(よ)ばれました。
  • 私は隣(となり)の人に足(あし)を踏(ふ)まれました。
  • 私は母に日記(にっき)を読まれました。

主語は物の持ち主(私)で、呼ばれた「名前」、汚された「本」、読まれた「日記」は「を」のまま残ります。動作主を「に」で示す点は直接受身と同じです。

持ち主の受身は、話し手が困った・迷惑(めいわく)だったという気持ちを表すことが多くあります(弟に本を汚されました)。ただし、必ず迷惑とは限りません。「先生に名前を呼ばれました」は中立的(ちゅうりつてき)な報告です。

自動詞(じどうし)でも、主語の人がその影響を受けるときにこの形を使います。一で見た「父に死なれた」のほか、「試合当日(しあいとうじつ)に雨(あめ)に降(ふ)られた」がそれで、どちらも直接受身の例にはなりません。

六 受身は否定的とは限らない

直接受身は、迷惑(めいわく)や被害(ひがい)だけを表す形式ではありません。評価、発見、利用、正式な手続きなども中立的(ちゅうりつてき)または肯定的(こうていてき)に述べられます。

  • 山田(やまだ)さんは会社から高く評価されました。
  • この景色は多くの旅行者によって撮影(さつえい)されてきました。
  • 新しい駅は来年建てられる予定です。

撮影の例は、動作主が不特定多数(ふとくていたすう)で改まった記述なので、二・三の基準に従って「によって」を選びます。日常の会話なら「この景色、みんなに撮(と)られてるよ」のように「に」でも自然です。

受身形だけを見て「困った出来事」と決めないでください。動詞の意味と前後の文脈(ぶんみゃく)から、評価を判断します。

七 まとめ

直接受身文を作るときは、次の順番で考えます。

  1. 能動文の対象「を」を見つけます。
  2. その対象を受身文の「は・が」にします。すでに話題になっているものや一般的な説明には「は」、出来事をそのまま報告するときは「が」を使います(昨日、駅で自転車が盗(ぬす)まれました)。
  3. 動作主は、具体的な行為なら「に」、出どころを示すなら「から」、改まった動作主・原因・手段なら「によって」を考えます。
  4. 動作主が不要なら、省略します。
  • 直接受身は、対象を文の中心にするための形式です。
  • 対象が「を」のまま残る形(五)は間接受身で、持ち主が主語になります。
  • 肯定的、中立的、否定的な出来事のどれにも使えます。

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受身で動作主を示す表現

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Last updated October 11, 2026